ルーン文字の『アエット』について

「ルーン文字とアエット」イメージ画像
もくじ

ルーン文字のアエット(aett)とは


グループ分けされたルーン文字

占いに使用するルーン文字は全部で24文字あります。
そして、「これを8文字ずつ3つに分ける」という考え方を『アエット』といいます。

アエットとは、古ノルド語で一族や家系を意味する言葉であり、簡単にいうなら「グループ」のこと。

『アエット』のシステムについては、史実上明確には解明されていませんが、古代北欧でルーン文字を暗号化するために使用された、という説が一般的です。


ルーンに与えられた3つのテーマ

占いで使用する「アエット」は、後世の研究者や神秘主義者が構造的・象徴的に整理したもの。それぞれのルーンにテーマが与えています。

エルダーフサルクと呼ばれる古い時代のルーン文字の意味をひも解くと、それらにはふさわしいグループがある、と解釈されたのがはじまりです。それぞれのルーンが持つテーマや象徴性が似ていることから、便宜上グループ分けされました。

呼び名はさまざまで、「第一アエット」「第二アエット、」「第三アエット」と呼ぶこともあるし、特定の神々の名前を冠して「フレイのアエット」「ヘイムダルのアエット」「テュールのアエット」と呼ばれることもあります。

アエットはそれぞれが独自のテーマや流れを持っているので、構造を理解すると、ルーン文字の意味がさらに深く読み解けるようになります。8文字ずつに分かれているので、ルーンの意味を少しずつ覚えたい時にもこのグループ分けは便利です。

ちなみに、このブログでは「フレイのアエット」「ハガルのアエット」「テュールのアエット」と呼んでいます。


ルーンは人生をなぞる旅

アエットでは、ルーンの24文字を「人生を旅するような成長の地図」としてとらえます。
タロットが大アルカナの22枚を「愚者の旅」として とらえるのと同じ考え方です。

それぞれのアエットは「成長」「試練」「完成」という流れで見ることが出来ます。

・第一アエット(フレイのアエット)テーマ:成長
・第二アエット(ハガルのアエット)テーマ:試練
・第三アエット(テュールのアエット)テーマ:完成

ルーンには表意文字がありますが、タロットカードのような決められた構図・美しい絵柄などはありません。そのため、『フェオ』や『ウル』等、名前だけ聞いてもイメージが難しく、とっつきにくい、と感じがちです。単純に意味だけ覚えても、なかなか自分のものになりづらいと思います。

ですが、ルーンを学ぶにあたりこの構造をざっくりとでも覚えておくと、全体の流れから各ルーンの並びや意味について理解しやくすなります。ルーンをより知りたくなったとき、象徴やルーン詩などの理解を深めたい場合にも、整理がしやすい考え方です。


まずは、第一アエットからみていきましょう。

第1アエット:フレイ・アエット

FREYR’S AETT

テーマ:誕生・所有・人生の始まり

このアエットは人生の出発点を象徴します。
物質的な豊かさ、肉体的な力、外的な環境との関わりが中心です。
この段階では、まだ「自分」という存在が外の世界とどう関わっていくかを模索中の段階です。


01:FEOH(富)
02:UR(力と肯定)
03:THORN(否定)
04:ANSUR(言葉)
05:RAD(旅立ち)
06:CEN(火・知識)
07:GYFU(贈り物)
08:WYNN(喜び)


【このアエットが語ること
「富の所有」から始まり、「本能」「拒否」「知恵」を得て、外界との「旅立ち」「つながり」「喜び」を知ることで、人としての基盤が整っていく流れを描いています

富」も「力」も、「否定」も「言葉」も、基本的にどれも純粋なエネルギーで悪意がありません。その分、危険であったり残酷であったりしがちです。成長段階であり、美しくも未熟な状態、と言えます。

第2アエット:ハガル・アエット

HAGALL’S AETT

テーマ:混沌・試練・変化と成長

このアエットは、人生における試練・喪失・内省・再構築を象徴します。
不安定な状況や自己との対話を通して、本質的な力を呼び起こす段階です。


09:HAGALL(破壊)
10:NIED(必要性)
11:IS(停止)
12:JARA(収穫)
13:YR(死と再生)
14:PEORTH(運命)
15:EOLH(守護)
16:SIGEL(太陽)


【このアエットが語ること
自然の試練や自我の崩壊を経て、命のサイクルと向き合い内なる真実を見出していく旅が描かれています。フレイのアエットでは気づかなかった葛藤や理不尽、危険や驚異を知ることになる段階です。これは決して避けられない道であり、世界を知るための必要なバランスでもあります。苦しみと自問、再生と自らを守る力を学び、次のステップへ向かいます。

第3アエット:テュール・アエット

TYR’S AETT

テーマ:社会・精神性・運命との契約

このアエットは、精神的な成熟や社会とのつながりを象徴します。
個人の力を超えた秩序・契約・運命の受容と共存の段階に入ります。

17:TIR(法と正義)
18:BEORC(受容と育成)
19:EOH(栄誉と誇り)
20:MANN(人間性)
21:LAGU(感性)
22:ING(完成)
23:DAEG(転換)
24:OTHEL(遺産の継承)

【このアエットが語ること
社会的な責任や精神性、そして「帰属」や「最終的な価値の継承」まで、魂の成熟と着地を描く流れとなっています。厳しさと優しさ、名誉と人間性、そして感性と感覚を得てその旅は完成を迎えます。そして完成とは転換期でもあり、自らの旅をふりかえり手に入れたものを次の自分へ継承します。循環は円環となり、その遺産は最初のフェオの富へ還ってゆきます。

まとめ

アエット」は古ノルド語で一族や家系をあらわす言葉です。
占いにおいては3つのグループに分けられ、「人生を旅するような成長の地図」の構造を持っています。

アエットキーワード人生としてみた場合
フレイのアエット始まり・獲得・自己形成幼少期〜自立
ハガルのアエット試練・変容・再構築思春期〜内面の葛藤と成長
テュールのアエット責任・統合・継承大人としての完成と継承

アエットはルーン文字を覚える時の助けになるものであり、それを意識することで「今、どのアエットが自分の問題に影響しているのか」を読み解く手掛かりにもなります。
意味を単語として覚えるだけでなく、ぜひ一度、物語として組み立ててみてください。

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